公立大学法人 京都府立医科大学

医学生命倫理学

人文・社会科学教室　Biomedical Ethics. Research Ethics

 
主任教授  瀬戸山 晃一

Future of Bioethics

iPS等の再生医療、遺伝子検査と解析や遺伝子治療など、近年の医科学研究と生命医科学技術は、驚異的な進歩を遂げてきています。これらの成果は、病気の原因の解明、新薬や新たな治療法の開発につながり、多くの人々の命を救い平均寿命や健康寿命を延ばし、生活の質（QOL）の向上を実現してきています。他方で、これらの医学研究や現代医療の加速度的に進歩は、我々の死生観や家族観や人間観の変容をもたらし、医学研究の不正問題、医療技術の利用アクセスの格差（不平等性）の問題、命の選別や過剰医療や先制医療の問題、遺伝子ビジネスや遺伝子差別の問題などの新たな倫理的社会的法的な諸問題が提起されてきています。これらの課題（難問）は、多くの市民のみならず、将来世代に不可逆的な強い影響を与える問題であります。生命倫理学には、医学、看護学、哲学・倫理学・法学・社会学・経済学・歴史学・宗教学・人類学その他の人文社会科学の知を結集し学際的に且つ国境を超えたグローバルな視野から、これらの倫理的な諸課題を考察し、倫理的問題を治療する処方箋のありかたを早急に検討していくことが求められています。当教室では、これらの研究を進め将来の医療従事者や研究者の育成のために研究成果を教育に還元していきます。

研究活動・教育

講演・発表の実績 (2015年度)
教育（講義・授業）について
パターナリズム研究会について
 

お知らせ

京都府立医科大学　人文科学教室では、以下の募集をしています。

 
 

主任教授

瀬戸山 晃一

医学部医学科 人文・社会科学教室 教授
研究開発・質管理向上統合センター
研究倫理教育・管理部門長
大阪大学大学院法学研究科専任講師（2004年～2008年）
大阪大学留学生センター准教授（2008年～2010年）
大阪大学国際教育交流センター准教授（2010年～2013年）
大阪大学未来戦略機構第一部門特任教授（常勤）（2013年~2015年）
学位：博士（法学）
 
主任教授からのご挨拶
 

Recent Topics

2018.08.30

平成30年度　出張一覧

平成30年4月18日（水） 第1回臨床研究審査委員会 大阪大学医学部附属病院未来医療開発部 平成30年7月2日（月）～　7月3日（火） 第57回医学系大学倫理委員会連絡会議 仙台勝山館

詳しく

2018.08.30

平成30年度　講演・発表の実績

招待講演 2018年度第2回ヒトゲノム研究倫理を考える会-遺伝情報に基づく差別について考える-（2018/8/24＠大阪大学(吹田キャンパス)） 講演題目「遺伝子差別禁止法の意義と争点」 学会・研究会発表 論文・その他の ・・・

詳しく

2018.08.09

平成30年度「倫理学」シラバス

Ⅰ　教育の目的と方針 医学科生対象の選択必修科目ということもあり、生命倫理学（医療倫理学、臨床倫理学）を中心に、具体的な現代医療をめぐる問題を題材に講義を行う。 そもそも倫理学とは一体どのような学問分野であり、医歯薬学や ・・・

詳しく

2018.08.09

平成30年度「現代正義論」シラバス

Ⅰ　教育の目的と方針 この講義で考察する正義とは、Justice, Fairness（公正）の意味であり、正義論とは、自由と平等・不平等（格差）や差別をめぐる議論と論争のことである。現代社会では以前にも増して多様な価値観 ・・・

詳しく

2018.08.09

平成30年度「医療倫理学」シラバス

Ⅰ　教育の目的と方針 諸君は、医師として将来、臨床の現場で様々な多くの倫理的な諸問題に直面することが不可避である。包括的な地域ケアシステムの推進や多職種でのカンファレンスが欠かせない現在の医療現場において、「臨床倫理」は ・・・

詳しく